【BOOK】ハリー・ポッターと謎のプリンス
世界的に大ヒットしたファンタジー『ハリー・ポッター』シリーズも、遂に6作目。
1作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』が発売された当時は、まだ私も高校生だった気が・・・。
全7作となるこのシリーズ、6作目の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、クライマックスに向けて駆け上がっていくような重要なエピソード。
タイトルは、まさに本作の主題となる“謎”の部分。
原題は“Harry Potter and Half Blood Prince”で、当初、『ハリー・ポッターと混血の王子』という仮の邦題がつけられていました。
正式な邦題『ハリー・ポッターと謎のプリンス』が発表されたとき、「『混血の王子』の方がいいタイトルなのに・・・」と思っていたけど、読んだら納得。
『謎のプリンス』という邦題にしなければいけなかった理由がわかりました。
謎のプリンスは最終作となる7作目でも、きっと重要な意味を持つと思います。
ハリーたちが驚くほど大人になっている本作。
話の展開もファンタジーというよりは、ミステリー小説さながら。
恋愛の要素も本格的に入ってきて、しかもハリーの恋愛模様は予想的中でした。
展開はどんどん暗く重くなっていくけど、それとともに「愛」というキーワードが随所に散りばめられている。
結局のところ、シリーズ全編を通した主題は愛するということの強さなのかもしれません。
それを軸に、7作目のクライマックスに繋がっていくんじゃないかな。
面白いと思う本とか映画に共通すること。
それは最初のうちは繋がりが全くわからずに混乱して、頭に「?」がいっぱい浮かぶ・・・それが最後の最後で繋がっていく、ということだと思います。
(『ダ・ヴィンチ・コード』もまさにそうでした。)
最後に繋がっていくのが巧みであればあるほど、驚きと謎が解けたすっきり感に満足する。
サスペンスにはよくある構成だけど、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』も、まさにそういう構成だった。
前半ははっきり言って、ちょっと飽きが来てしまうほどでした。
登場人物がどんどん増えて覚えられないし、このエピソードは本当に必要なの?!っていう感じ。
それが最後の5章で一気に繋がっていく・・・息を呑むくらいドキドキしながら、一気に読んでしまいました。
このシリーズの特徴として、文章の躍動感やユーモアが読み手を引き込み、想像力を掻き立てる力を持っていると思います。
それは映画版にはないもので、私は原作の方が断然好き。
7作目に向けて残された、気になる数々の謎。
既に書き終えて金庫に眠っているという7作目の最終章を想像しつつ、期待して待ちたいと思います。
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