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2006年5月17日 (水)

【BOOK】東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

Book_12読み始めてすぐに、文章が詩的なことが気に入った。
リズミカルで読み易い。
私自身は方言をしゃべらないくせに、方言丸出しなところにも親しみを感じた。
この本は「軽い読書」と思って読み始めたけど、読み進むうちに深みが増してきた。
私は「重い読書」が好きなので、この深みにわくわくしました。
いつもベストセラーに飛びつくのにちょっとした抵抗があって、ワンテンポ遅い私。
しかも「泣ける」と言われると、身構えてしまう。
ちょっと挑むような気持ちで読みはじめたのに、見事に取り込まれ、泣かされ、考えさせられた。

ボクはオカンを失い、それを「悲しみの始まりと恐怖の終わり」と表現している。
なんて適確な表現なのだろうと思いました。
家族であれ、恋人であれ、友人であれ、大切に想う人がいるならわかると思う。
もう数年間も家族と離れてくらしている私も、ボクと同じ漠然とした恐怖があります。
幸い私の両親はまだまだ元気でピンピンしているけど、これから年を重ねるにつれてこの恐怖は増大していくんだということを、どこかで覚悟しています。
離れて暮らしてみないと親のありがたみはわからないって言うけど、ありがたいと気づくだけじゃない。
大切にしなきゃと思うようになった。
今は大切にしているつもりでいても、失って初めて襲ってくる無力さ、不甲斐なさ、虚しさという感情に、自分を許せなくなる瞬間がきっとあると思う。
それでも、「ごめんね」と「ありがとう」は必ずすぐに言わなくちゃ。
「ごめんね」を言う前に大切な人が交通事故に遭ってしまったら?
「ありがとう」を言っていないのに、二度と会えなくなってしまったら?
そんな後悔はしたくない。
この作品が多くの人の共感を呼んだのは、そんな全ての人が抱いている恐怖と悲しみを生み出す絆の物語だからかもしれない。

家族が無償に恋しくなりました。

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