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2006年8月23日 (水)

【MOVIE】ユナイテッド93

夏季休暇中に、母と一緒に地元のシネマイクスピアリで観て来ました。
かなり前から注目していた映画だったということと、9.11米国同時多発テロを題材にしているということで、当初から「大切な人と一緒に観よう」と決めていたので、実家に帰って迷わず母を誘いました。

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『ユナイテッド93』

Movie93_12001年9月11日。ニューアークの空港は、朝の喧騒に包まれていた。離陸の準備を整えたユナイテッド航空93便は、40名の乗客を乗せ、サンフランシスコへ飛び立つ。その直後、ワールド・トレード・センターに2機の民間機が激突した。その頃、ユナイテッド93便の機内でも、テロリストが爆弾を持って操縦室を制圧。機内は混乱に陥るが、地上で起こっている事態を知った乗客と乗員たちは、わずかな武器を手に立ち上がった…。

監督:ポール・グリーングラス
主な出演者:ベッキー・ロンドン、シェエン・ジャクソン、チップ・ジエン、クロー・シレーン、クリスチャン・クレメンソン など

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お気に入り度 ★

いつも私の勝手な好みでお気に入り度をつけてるけど、こういう映画って決して“お気に入り”にはならない。
でも映画としての評価とか、考えさせられたことについては★★★★★くらいあげてもいい作品です。

こういう映画を観るのは苦しい。
事実を基にした題材で、しかも辛い結末を知っている。
世界を震撼とさせた5年前のあの日、何が起こっていたのか。
この映画がどれだけ正しく事実を伝えているのかは、実際のところよくわかりません。
ドキュメンタリータッチとも言われているように、全編にわたって客観的な視点で描かれている。
とにかくそれが印象的でした。
ドラマ仕立てで涙を誘うハリウッド映画と、一線を画しているのは確かだと思います。

客観性を感じた理由のひとつに、テロリストの不安、迷い、恐怖、そして必死に何かに向かっていこうとする姿が描かれていたことが挙げられます。
4人のテロリストたちを単純な「悪」として描くのではなく、ひとりひとりが「人間」として描かれていた。
そして、テロリストに立ち向かっていった乗客たちも、英雄として美化されているのではなく、ただ生きようとする「人間」として描かれていました。

ユナイテッド93機は、あの日ハイジャックされた飛行機の中で、唯一テロリストが目的と果たせずに墜落し、地上に一人の犠牲者も出さなかった飛行機。
テロリストに立ち向かった乗客は、ワールドトレードセンターとペンタゴンに飛行機が突っ込んだことを知っていた。
けれど、彼らは地上での被害を食い止めようと勇気を出したのではなく、ただ生きるために立ち向かった・・・。
ひっ迫した機内で自分が死ぬかもしれないと悟ったとき、大切な人に「愛してる」と伝えたい。
できるならば生き残りたい。死にたくない。
その一心であることが、生々しく伝わってきた。
「臨場感がある」というとあっさりしてるけど、とても正直な描写だと思う。

キャストは実際の乗客の年齢などを考慮して選ばれた無名の俳優たち。
そして実際のパイロットや管制官も多数出演しています。(エンドロールを見ていると“as himself”がいっぱい)
製作者やキャストの想いが素直に伝わってきます。

観ていて本当に息苦しくなるくらい、自分も追いつめられていく気がしました。
この映画を観て考えさせることはたくさんあったし、注目されることが必至の作品でこれだけ見応えのある出来栄えであることには驚きました。
でも、何よりも「人間」という対象をとても正直に描いていることに感銘を受けました。
善とか悪とか単純に分けられないものを、赤裸々に描いた作品です。
観た後には消耗しきっていたし、決して何度も観たくなる作品ではない。他人に薦めようというつもりもありません。
だけど、私自身は観てよかった。

私が平和だと思って生きている世界が、どんな背景の上に成り立っているのか、世の中にはどんな不条理で悲しいことがあるのか・・・。
この作品だってそのほんの一部に過ぎないけど、自分の世界がいかに小さいものかを思い知りました。

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コメント

はじめまして。この映画は本当に見ごたえのある作品です。この映画を見た上で、「ユナイテッド93は撃墜された」という記事を読むと、信じる真実はどちらに傾きそうでしょうか?
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1476426

投稿: Hiro-san@ヒロさん日記 | 2006年8月23日 (水) 16時59分

ヒロさん

コメントありがとうございます。
色んな説や憶測があり、何が真実かは結局のところ私にはわかりません。
ただ、この作品は映画としてひとつの解釈を示していて、そこに「人間」の感情の優れた描写がある・・・と捉えたいと思います。
真実はどうだったのかは大事な論点ですし、ヒロさんの記事もとても興味深いものでした。
でも、これだけ見ごたえがあり、臨場感溢れる作品でも、映画はエンターテイメントですからね。

投稿: rie | 2006年8月23日 (水) 22時27分

エンドロールで「軍部は墜落の4分後まで知らなかった」と出ますが、これがデタラメであることは、最近、大々的に暴かれしまいました。CNNニュースをどうぞ。
http://www.vsocial.com/video/?d=43073

投稿: Hiro-san@ヒロさん日記 | 2006年8月24日 (木) 22時18分

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受信: 2006年9月20日 (水) 15時20分

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