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2007年1月 8日 (月)

【MOVIE】硫黄島からの手紙

今年最初の映画は、映画館で観るつもりはなかったこの作品。
でも、「若い人に観て欲しい」という母からの強~い薦めがあり、冬の嵐の中、観に行ってきました。

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Movie_43『硫黄島からの手紙』

戦後61年が経ち、硫黄島の地中から発見された数百通の手紙。
そこには、届かぬとわかりつつしたためられた家族への思いが綴られていた・・・。
----戦況が悪化の一途をたどる1944年6月。
アメリカ留学の経験を持ち、米軍との戦いの厳しさを誰よりも覚悟していた陸軍中将・栗林が硫黄島に降り立った。
着任早々、栗林は本土防衛の最期の砦である硫黄島を死守すべく、島中にトンネルを張り巡らせ、地下要塞を築き上げる。
そんな栗林の登場に、硫黄島での日々に絶望していた西郷ら兵士たちは希望を見出す。
だが、一方で古参の将校たちの間で反発が高まり…。

監督:クリント・イーストウッド
主なキャスト:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童 他

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お気に入り度 ★

私がこの作品を観に行ったのは日曜日の午前中。
いつもなら人もまばらな時間帯だったけど、思いのほかお客さんが多くて、しかもめずらしい客層。
戦争を経験していると思われる老夫婦や、3世帯のご家族、高校生の男の子たち・・・なかなかこんな客層にはお目にかからない。
この映画を観て、それぞれの世代がどう受け止めているのか、聞いてみたくなりました。

私の率直な感想は・・・『ユナイテッド93』を観たときと同じ。
何度も観たい映画じゃない。
戦闘が始まると、悲惨な結末へとひたすら駆け上っていく感じがして、息がつまりそうだった。
けど、素晴らしい映画だと思うし、観て良かったと思います。

私が一番強く感じたのは、今まで戦争に関する本を読んだり、戦争映画もそれなりに観てきたけど、罪の無い多くの人が死ぬとか、家族が引き離されるとか、文明が失われるとか、そういう表面的なことでしか戦争の「悲惨さ」を捉えていなかったんだなぁ・・・ということ。
この映画は、今までに観た戦争映画とは違う気がしました。
仲間の死を目の当たりにして、自分の生死の選択を迫られ(選択の余地すらない人もいたけど)、自分の持つ弱さやずるさと残酷に向き合わされる。
こういうのも、戦争のもつ「悲惨さ」なんだろうな・・・。

中村獅童さんが演じた伊藤中佐は、部下に対しては「祖国のために命を捧げろ」と鞭打っておきながら、自分自身は最後まで潔く死ぬことが出来なかった。
情けなくて惨めな人だと思ったけど、あのような状況下で、決して彼を非難することはできない。
仲間が次々に自決していく中、逃げ出した西条と清水だって、当時の考え方で言えば非国民だし卑怯者かもしれないけど、誰も彼らを責めることはできないと思う。
当時、国のために命を投げ打って戦うのが尊いこととされ、誰もがそう教育されていたけど、結局のところ、人の考えを縛り付けることなんてできなかったってこと。
彼らは幸いにも選択の余地があったけど、だから幸せだったのではなくて、その選択こそがとてつもなく苦しかったんじゃないかな・・・。

渡辺謙さんが演じた栗林中将や、伊原剛志さんが演じたバロン西は、人間的な魅力が光っていました。
みんなが同じ大儀の下で動いていて自らの考えを封じていたとも言える時代に、しっかりとした考えを持ち、部下を導いていこうとする姿は素敵です。

俳優陣の演技も素晴らしかった。
巨匠イーストウッドの陣頭指揮で、オスカーの呼び声も高い作品だけど、何よりすごいのはアメリカ人がこの作品を作ったこと。
日本兵の微妙な心情を、こんなに見事に表現できるというのは本当にすごい。
こんな戦争映画、日本人に作れるでしょうか。
ハリウッド映画もまだまだ捨てたもんじゃないと思わされました。

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「硫黄島」2部作の 日本から見た「硫黄島」 「硫黄島からの手紙」 アメリカから見た「硫黄島」 ”父親たちの星条旗”も素晴らしい作品でしたが 本作も本当に素晴らしい作品です。 感動を与えられるというよりも 「何か凄いメッセージ」が 感じ取れます。 5日間で終わるとされた戦いを 36日間、戦い抜いた男たち。 「父親たちの星条旗」で ”英雄”に祭り上げられた 男たちにも悲観さあったが ... [続きを読む]

受信: 2007年1月 9日 (火) 18時16分

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