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2008年12月26日 (金)

一本の線を決める

設計の仕事では、電気設備図や展開図を作成します。
入力自体はなんてことない作業だけど、
家全体の構想やお客様の要望を叶えるために色々と考えていくと、煮詰まってしまうこともある。
ただの“作図”なのか“設計”なのかは、ひとつひとつに理由があるかどうかだと思います。
家具の図面ひとつをとっても、一本を線を引くのに悩むこともしばしば。
引出しの深さは8㎝がいいのか、10㎝がいいのか・・・扉は引戸にするか開き戸にするか、オープンにするのか。
全てはお施主さんへの暮らし方提案。
その一本の線を決めてあげることが、私の仕事。

はっきり言って、以前の会社で開発の仕事をしていたときは、
「これが私の仕事です」
って、ちゃんと説明できなかった。
空気環境と温熱環境の担当者・・・で?何をしているの?
商品づくりに携わっていても、本当の意味でお客様の求めているものも、商品に対する反応もわからない。
自分が何をしているのかわかっていなかったんだなぁ・・・と今は思います。
でも、社会人になりたての4~5年なんて、それでも良かった気がする。
最高の先輩や後輩に恵まれていたことも大きな財産だし。
前の仕事を一生懸命やっていた自分がいなければ、今の仕事の意味もきっとわからなかった。
積み重ねてきたものがあるから、この仕事を楽しいと思えるんだと思います。

ただ残念なことに、仕事が楽しいかどうかと良い会社かどうかは全然別の問題みたい・・・。

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2008年12月23日 (火)

はじまりはキッチン(後編)

生産中止のため入手できなくなってしまったロジェールのコンロのトップカバー。
調べられる限りの販売店へ電話をかけても、在庫を持っているところもなし。
トップカバーを展示してあるショールームでは、無理を承知で

「あのぉ・・・展示品を売っていただくわけにはいかないでしょうか?」
「スミマセン」

・・・そりゃあそうだよね。
がっかりするお施主さんの顔に、私もがっくり。
ロジェールのほかにフタ付のガスコンロを探してみると、あるんですね、ほかにも。
でも・・・白いコンロでフタがあるのはロジェールだけ。
コンロに合わせてシンクやタイルを決め、キッチンから全体のイメージを膨らませて計画してきただけに、どうしても諦めきれない。

こうなったらもう・・・ということで、作っちゃいました!
ガスコンロのフタ。
アルミを成形して、真っ白に塗装して。
ロジェールのみたいにガラス製ではないけど、フタを閉めたときの感じは◎
当初の構想どおりには行かなかったものの、結果的には満足して頂くことができました。

製作のキッチンや洗面は、メーカーの作るシステムキッチンなどに比べて、どうしても不具合が起こるし、清掃性なども劣る。
でも、お施主さんの望むイメージを実現できるうえに、使い勝手を綿密に打合せてカスタムメイドできることが最大のメリット。
キッチンからはじまる家づくりも悪くないな。

今頃、真っ白なコンロでグツグツと美味しいごはんが煮えてるかも。

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2008年12月22日 (月)

はじまりはキッチン(前編)

それは、キッチンのガスコンロからはじまりました。

今年の2月、お施主さんが取り出したのは、フランス製のガスコンロのカタログ。
ロジェール社のガストップクック・・・と、そのトップカバー。
トップカバー?!
そう、キッチンにこだわる人々に最も愛されているロジェールのコンロには、“フタ”がついているのです。
耐熱ガラスでできた、真っ白くて、それはそれは美しいトップカバー。
2008_11020335
このコンロとフタをどうしても使いたい!

というお施主さんの想いから、白いホーローのシンク、白いタイルの天板、製作の引き出しには白くて丸いつまみ・・・と、まずはキッチンのイメージがかたまりました。

そして、ダイニングは杉の製作テーブルに、カラフルでオシャレなペンダントの照明器具を。
大きな吹き抜けのあるリビングには木製ブラインド。
キッチンと同様、こだわり抜いた製作の洗面化粧台。
もちろん外観にもこだわって。

ところが、竣工も近づいた10月の終わり・・・ある事件が!
ロジェールのコンロのトップカバーが生産中止になり、販売できないとの連絡が入ったのです・・・。

後編へつづく。

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2008年12月21日 (日)

記念すべき・・・

12月のはじめ、私が初めて担当した物件のお引渡しがありました。
5月の上棟から半年ちょっと。
無事の竣工にほっとしたと同時に、お客様が入居するこれからが、本当に家が“生き”はじめる瞬間なんだなぁ・・・と、感慨深い思いでした。

私の記念すべき1棟目は、和風の二世帯住宅。
100年以上もその地域と家族を見守ってきた家の建替えでした。
写真をお見せできないのがとっても残念なんだけど、新しい家には古い家の立派な大黒柱や梁を再生して利用。
框や家具、建具などに生まれ変わって、ベースとなっているヒノキの床や漆喰の壁にさりげなく風格を与えてくれています。

初めて設計とコーディネートを担当してみて、「こうすれば良かったなぁ」というところも多々。
でも・・・まるまる1棟が出来上がるまでを経験して一番学んだことは、打合せの仕方じゃないかな。
二世帯住宅では、親世帯と子世帯の意見を上手にまとめることがとっても重要。
玄関が2つあるような完全二世帯ならともかく、今回は2階にミニキッチンがある程度で基本的に生活は一緒だったため、若夫婦の意見を聞きつつ、ご両親の要望をきちんと拾うということにすごく気をつかいました。
失敗も色々あったけど、とても喜んでくれているお施主さんの顔を見ることができて、とても満たされた気持ちになりました。
その瞬間こそが、この仕事の醍醐味なんだなぁ、と。

まだ経験がなかった私に機会を与えてくれ、任せてくれたお施主さんには、本当に感謝感謝です。
仕事が出来るようになるためには、お客様から学ぶのが一番だと身を持って実感しました。

そして、どういうわけか、これから担当する3物件のうち2つが二世帯・・・。
なにごとも、初めてよりも2回目や3回目の方が悩み、考え、じっくりと向き合えるもの。
私の本当の成長はこれからです・・・たぶん。


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