2007年7月31日 (火)

【BOOK】ゴッホは欺く

Book_33ジェフリー・アーチャーのミステリー小説。
なんか毛色が『ダ・ヴィンチ・コード』のダン・ブラウンに似ていると思うのは私だけ?
ちょっと想像したくないような殺人の描写や、芸術品がいっぱい出てきて、その土地のことを知らないと,いまいちわからないところが。

それなりに面白かったけど、絵画の知識が乏しいうえに、高い絵画を売り買いする職業というのに馴染みがないから、なんとなくイメージしにくかったな。
ルーマニアの独裁者のこととか・・・歴史を知っていれば、もっと深く楽しめそうだな~というのが感想です。
じゃあ、これを機にルーマニア革命について調べてみれば、とも思うんだけど、なかなかそうはならなくて(笑)
記憶に新しい米国同時多発テロのワールド・トレード・センター崩壊を物語に組み込んでいたのは、ちょっとリアリティを感じた。
映画の『ワールド・トレード・センター』は観たけど、あの映画は救助する側の視点で描かれたものだったから、あの事件でまさに日常が崩壊してしまった人々の恐怖とか心情の描写というのは、本作で読んだのがはじめて。
とにかく何が起こっているのかわからなかったのだと思うけど、たくさんの人々が死に直面し、パニックした状況で、冷静な判断なんてできる人間がいるのかな・・・。
あのテロを経験したひとは、きっと一生あのときの恐怖の感覚がつきまとうんじゃないかなぁと思いながら読んでいました。
小説の主人公はさらなる恐怖と何度も対峙するから、最後の方ではテロのことは忘れかけてた感じだけど。

この手の本を読んでいると、ついつい止まらなくなっちゃう。
この本は1ヶ月前くらいに読んでいたんだけど、バスの中でも寝る前でも、1分でも暇があれば読んでました。
・・・ということは、それなりに面白かったってことかな(笑)

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2007年2月 3日 (土)

【BOOK】こころの自然治癒力

Book_32ちょうど3年前の今頃、入社して1年が経とうとしていた頃の私は、ものすごく精神を病んでいたと思う。
会社以外の人と話す機会もない日が続いて、ひたすら仕事に支配されていたし(何であんなに忙しかったのか、今考えると謎・・・)、人間関係でどうしようもない悩みを抱えていて、職場にいることが苦痛でしかなく、ごはんも喉を通らない、眠くても眠れない日々。
もう何もする気力が起こらなくて、何が悲しいのかわからないけど悲しくて、淋しくて、あるのは孤独感だけ。
これじゃいけない・・・ってぼんやりと思った私は、ふらふら本屋さんを歩いていて、この本と出会いました。
普通の精神状態のときだったら、手に取ることもない本だと思う。
がんばらなきゃいけないけど、がんばるのがつらい。
がんばりたいけど、がんばれない・・・。
そんな状態だったから『こころの自然治癒力』というタイトルが目に留まったんだと思う。

私はそのままこの本を購入して家に帰り、3回読みました。
書いてあるのはどれも当たり前のことに思えるけど、この本を読んで私はものすごく救われた。
自分ではずっと「がんばろう、がんばらなきゃ」って思って、そう思っていないと仕事なんてできなかったし、そう思っていることが自分をますます追い詰めてることには気づいてなかった。
たけど、この本は「そんなにがんばらなくていいよ」「泣いたっていいよ」「たまには自分のことだけ考えたっていいよ」って許してくれたんです。
つらいときには、つらいって言っていいんだって。
誰かが許してくれるって、とても大きな救いの言葉になるんじゃないかな。

例えば、自分のこころを回復させる、こんなコツを教えてくれました。

●「ちょっと疲れた」と声に出す
●「休める理由」を作る工夫をする
●つらいままでも、楽しめると知る
●「普段と違う時空」に自分を置いてみる
●つらいときには、大事な決断は先送りにする
●とにかく体を動かしてみる
●睡眠や食事にリズム感覚を
●迷ったときには、一歩前に出てみる
●行き詰まったら、ワンクッションおく

こうやって書くと簡単だし、元気なときにはなんでもなくやっていることばかり。
でも、こころが弱っていると、このちょっとしたことができないんだよね。

私を闇の中から明るいところへ導き出してくれた、大事な大事な本。
あのときこの本を手にとっていなかったら、今の私はいなかったと思う。
最初に読んだ3回以来、私はこの本を読んでいない。
もしいつかまた、どうしようもなく救われない気持ちになったとき、きっとこの本を開くと思う。
そして、きっとまた立ち上がれると思う。
もう今は、自分は立ち上がれるって知ってるから。

読んだわけではないのに、急にこの本について書こうと思ったのは、今、ある人にエールを送りたいから。
誰でもつらいときがあるし、心が疲れちゃうこともある。
でも、独りぼっちのひとはいないんだよ。

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2007年1月28日 (日)

【BOOK】華麗なる一族

Book_31今、ちょうどTBS系の日曜ドラマで放映されている『華麗なる一族』の原作本。
『白い巨塔』、『大地の子』、『沈まぬ太陽』などで知られる私の大好きな作家、山崎豊子さんの作品です。

この作品はドロドロ感がすごい。
作風としたら、『白い巨塔』に近いんじゃないかな。
下巻の解説にも書いてあったけど、
「悪が栄え、善は滅び、正直者は損をする世の中」
を描いている、熾烈な人間ドラマでした。
映画でも小説でも、物語にはいつも教訓とか、メッセージが込められていて、どんなに暗いストーリーでも、どこかに救いがある気がする。
『白い巨塔』を読んだときには、まさにそれを感じて、最後のほうは号泣だったんだけど・・・『華麗なる一族』には救いがない結末だった。
山崎豊子さんは、世の中の汚い部分を曇りなく描くことで、猛烈にそれを批判しているような気がする。

いつもながらに、山崎さんの作品における取材力はすごい。
しかも、銀行と行政と大企業の裏で行われている繋がりというのは、普通踏み込めるところではないらしい。
もともとジャーナリズムの世界に身をおいていた山崎さんならではの、こだわりぬいた作品だと思う。
実際、読んでいると「社会ってこんな風に成り立ってるんだ・・・」と、思わず口が開いてしまったり、自分の勤めている会社のこんなところって、もしかして・・・とか思ったりする。
ほんと、時代は違うけど、社会勉強になりました。

日曜ドラマでは、木村拓哉さんが阪神特殊鋼の専務、万表鉄平役を演じて話題になっているけど、キムタクがこの結末に向かっていくのか・・・と思うと、ちょっと見てみたい。(どんな結末かは敢えて書かないけど)
1話・2話は観たけど、残念ながら我が家のテレビが危篤状態に陥ってしまったので、続きは観れないと思う・・・。

善は滅び、正直者は損をするなんて、思いたくはない。
この物語に唯一救いがあるとすれば、ドラマでは相武紗季ちゃんが演じている二子ちゃん。
彼女は正直者で、とっても素直。
正直でいることって、逆風が強かったり、とてもエネルギーが要るのかもしれない。
でも、正直に生きるって、強いことなんだね。


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2007年1月24日 (水)

【BOOK】ブスの瞳に恋してる

一昨日の帰り道、とろとろ歩きながらふと顔を上げると、濃紺の夜空にほそい三日月。
西の空の低いところに、細くて頼りない感じで輝いていて、とっても美人さん。
そのとき、私は仕事のことでモヤモヤイライラしていて、怒りにも似たなんとも言えない沈んだ気持ちだったけど、なんだか救われた気持ちになりました。
でも、それだけで悩みが解決するわけもなく、家に着いてもモヤモヤモヤモヤ・・・。
家に帰ったんだから、気分を明るくしたい。
そうだ、こんなときこそアレを読もう!・・・と思い立って読んだのがコレ。

Book_30はっきり言って、私が普段読む本のジャンルから言ったら異色。
表紙の写真を見ても、本屋さんで自らは手に取らないだろうな~と思いつつ、ちょっと気になるような本。
「ブス」って・・・女性に対してなんて言い草だ!って思うし、冗談でもそういう言い方をするのは嫌いな方。

それが・・・心から笑える本でした!
本を読んでこんなに笑えたことってあったかな。
ありえないような本当の話だからなおのこと、赤裸々というのを通り越して、品も何もあったもんじゃない。
だけど、微笑ましくて、可笑しくて、あぁ幸せなんだなぁ、ってにんまりしちゃう。
鈴木おさむさんも「のろけ話」だと言ってるけど、本当にその通り。
こんな幸せの形があるんだね。

あの日、家に帰ったときにはあんなにモヤモヤしてたのに、この本のおかげですっかり心が軽くなって、幸せな気持ちでねむりました。
本も人も見た目じゃない!と思えたお話でした。

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2007年1月17日 (水)

【BOOK】思うとおりに歩めばいいのよ

Photo実家に帰ったときに母が読んでいた本。
タイトルに惹かれて手にとってみたら、すごく素敵な本でした。

ターシャ・テューダーさんは、画家であり、作家であり、本格的な庭師であり、デザイナー兼仕立て屋であり、料理人であり・・・たくさんの顔を持つ87歳の女性。
森の中で一人暮らしし、夜明けとともに起きて、動物や植物の世話をし、きちんとした食事をつくり、丁寧に道具の手入れをして、絵を描き、ドレスやぬいぐるみを縫い、日々手や身体を動かせる生活に感謝しながら、あらゆるものに愛情を持って素敵な生活を送っている方です。

この本には、ターシャさんの生活が数々の写真と文で紹介されている。
スローで、自由で、喜びのある生活。
もう、彼女の柔和な表情から、心が充たされていることがわかる。
「幸福とは、心が充たされること」。
私たちは、幸せな生活をしていると感じていても、どこか別のところに何か心配事があったり、何か物足りなさを感じたり・・・。
自分って贅沢だなって思うけど、まだまだ「心が充たされてる」とまで感じられないんだよね。
もちろん、まだ20代の私がこういう生活を望むのは贅沢というものだし、ターシャさんだって、長年望んでいてようやく今の生活を手に入れたそうです。
「思うとおりに」歩むのは、決して自分勝手に生きるということじゃない。
誰もが「思うとおりに」歩みたいと願うと思うけど、そう生きられる人は、実は少ないんだろうな・・・。
思うとおりに歩もうと思うと、逆風に遭うことだって山ほどあるしね。
でも、ターシャさんはこうも言ってました。
「価値のある良いことは、時間も手間もかかるもの」

彼女のような生き方にあこがれるし、自分もいつか年をとったら、「思うとおりに歩めばいいのよ」って自信を持って言いたい。
羨むんじゃなく、真似するのでもなく、私らしく、思うとおりに生きられるようになりたいな。
そのためにも、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」ってね。
今は、まだまだまだまだ、準備段階です。

この本はプレゼントにもオススメ。
うちの母は自ら読んでたけど、大事に育ててくれたお母さんにプレゼントしたら喜ばれるかもしれません。

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2007年1月 9日 (火)

【BOOK】女が28歳までに考えておきたいこと

Book28人生の指南書的なこの手の本は、自ら好んで読むことはあまりありません。
この本は、会社の後輩が貸してくれたんだけど、私の勤めている20代ばかりの職場で、なぜか人から人へ読み継がれているというもの。

やっぱり男性の書いた本だなぁ・・・。
納得することももちろん書かれているけど、恋愛や結婚についての章なんかは、かなり男性に都合よく書いてある。
そう捉えてしまう私は素直じゃないってことなのかなぁ?
男性に都合のいい説教臭さに、ついカチンときちゃう。
勝手なこと言わないでよって。

タイトルからしてちょっぴりカチン。
「28歳まで」って・・・女の28歳がなんだっていうの???とか思ってみたりして。
確かにね、28歳くらいって人生の方向性を見定めようとする女性は多いと思う。
だけど、今のご時勢、女性だって立派に自立しているし(むしろ男性より逞しく生きている女性もいるし)、「28を過ぎたら・・・」なんて考えるのは男性社会なんじゃないの?
本の内容からすれば、女子高生だろうと28歳を過ぎていようと関係なく、人間的魅力を上げるための考え方が書いてある。
そこは納得する内容も多かったけど、28歳を前にした女性をターゲットにしているっていうのは蛇足だと思う。

やっぱりこの手の本は、私にはあまり向かないみたい。
自分を磨くっていうことに関しては、いくつになっても、女性だろうと男性だろうと、人生を潤すために必要なこと。
そしてその努力をしている人は、年齢や性別に限らず魅力的だと思う。
けど、「どう」磨くかは自分次第。
それを型にはめちゃったら魅力なんてなくなっちゃうよね。

読んで損はなかったけど、特に影響を受けることもなかった本でした。

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2007年1月 5日 (金)

【BOOK】デセプション・ポイント

Book_29『ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』でおなじみのダン・ブラウンの作品。
本作は前述の2作品のような「ロバート・ラングドン・シリーズ」ではなく、宗教学や誰もが知っている芸術作品は出てきません。
舞台はアメリカ、ワシントンD.C.と北極。
『デセプション・ポイント』を訳すと『欺瞞の極点』・・・つまり、ワシントンDCで起こるアメリカ国民を欺く陰謀の極みと、もうひとつの舞台である北極点を掛けているみたい。
タイトルを見ても何のことかさっぱりわからないけど、中を読めば上手いタイトルだなぁと納得。

ダン・ブラウンの作品を読んでいてすごいと感じることのひとつは、詰め込まれた知識の豊富さ!
あらゆる下調べが徹底しているし、それが架空のものなのか現存するものなのか全くわからなくなってしまうんだなぁ。
それくらい、細かい描写に説得力がある。
この作品にはホワイトハウスやNRO(アメリカ国家偵察局)、NASAが出てくるほか、アメリカ政府が公式に存在を認めていないデルタフォース(アメリカ陸軍 第一特殊作戦部隊D分遣隊)なんかも出てきて、「その技術は本当のことなの???」って思うことがいっぱい。
そこが面白くて、ついついリアルに受け止めてしまうのです。

そしてもうひとつは、構成の巧みさ。
次から次へと場面が切り替り、視点が切り替るから、連続ドラマが良いところで「つづく」になってしまうのと同じ感覚で、早く次が見たい!ってどんどんページを捲ってしまう。
そのまま映画の脚本になってしまいそうな構成で、完全に読者を虜にしようとしている。
それがわかっていても引き込まれていくから楽しめる作品になっているんじゃないかな。

『ダ・ヴィンチ・コード』に続き、『天使と悪魔』の映画化が決まっているけど、個人的には『天使と悪魔』よりも『デセプション・ポイント』の方が映像で観てみたい。
最新鋭(それとも未来?)の技術が詰まって宇宙にまで話が及び、政治的な駆け引きも存分に組み込まれたアクション大作が出来上がりそう。
内容の面白さとしては『天使と悪魔』の方が面白かった気がするけど、あまり映像で見たいと思えないし・・・。
その点、『デセプション・ポイント』は、知的な推理ドラマも兼ね備えたアクション映画として受け入れられそうな気がする。

ダン・ブラウンの作品でまだ読んでいないのは『パズル・パレス』。
基本的にこの手の本は家族で回し読みだから、私のところに回ってくるのは両親が読んでから。
文庫本はいつ出るのかな。
ミステリー小説なんて全く興味がなかったのに、ちょっとはまり気味。
でも、次は血が流れない本を読みたいな。

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2006年12月25日 (月)

【BOOK】天使と悪魔

Book_28世界的に大ヒットして、映画化もされた『ダ・ヴィンチ・コード』の著者ダン・ブラウンの作品。
『ダ・ヴィンチ・コード』の前に書かれた前章で、主人公は同じ象徴学者ロバート・ラングドン。
全然知らなかったけど、ロバート・ラングドンの小説はシリーズものらしくて、ダン・ブラウン氏は現在3作目を執筆中だそうです。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』と同じく、トム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督による映画化も決定していて、映画でもシリーズものとして続いていきそうな予感。
ジェームズ・ボンドやジャック・ライアンみたいに、“ロバート・ラングドン・シリーズ”として、愛されるキャラクターになっていくのかな。

とはいえ、『ダ・ヴィンチ・コード』でも密かに感じていたことだけど、ロバート・ラングドンの人間的魅力がいまいち伝わってこない。
暗号解読だの反物質だの、難解で複雑なストーリーと、早くページをめくりたい!と思わされる巧みな文章構成に騙されている感がある。
ロバート・ラングドンがどんな人間なのか、キャラクターがいまいちよくわからない・・・。
象徴学者で宗教や芸術にの知識が長けていて、ものすごく頭の回転がいいっていうのはわかるけど。
そして閉所恐怖症。

『天使と悪魔』の展開は、『ダ・ヴィンチ・コード』以上に複雑なんじゃないかと思う。
それに『ダ・ヴィンチ・コード』でも教会やいくつかの国から強い反発があったけど、本作は確実にその上を行きそう。
読んでいて、どこまでがフィクションで、どこからノンフィクションなのかわからなくなってくる。
それがこのシリーズのおもしろさでもあるんだけどね。

これってやっぱりミステリー小説だから、殺人の描写とかはえぐい・・・。
寝る前に読んでいると悪夢を見るんじゃないかってドキドキする。
個人的には、あんまり映像化して欲しくないなぁ。
展開の面白さは納得だけど、こういう本は一度読んだらそれでおしまい。
何度も読みたい本じゃない。
映画と同じで、これはエンターテイメントです。
私が何度も読みたくなる本は、やっぱり心に響く本。
例えば、灰谷健次郎さんの本は、何十回も読んでいる本なのに、読む度に新しい発見や感動がある。
面白い本=心に響く本、とは限らないんだね。



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2006年12月 1日 (金)

【BOOK】地雷ではなく花をください

世界では64カ国に計1億1千万個以上もの地雷が埋設されているといわれています。
その大部分が対人地雷。
対人地雷は無差別に、しかも戦争が終わって平和な世界になってもなお被害をもたらす、非人道的な武器です。
地雷の被害にあうと死ぬのではなく、ほとんどの地雷は、手足を吹き飛ばすという残酷なものだそうです。
カンボジアには400万~600万の地雷があると言われており、一月に200~300人もの人が地雷の被害にあっている。
現在、除去作業が続けられているものの、地雷撤去車で処理できる地雷は8割程度で、残りは危険な手作業になります。
金属探知機を使った地道な作業では、1日に処理できるのはたった6畳分。
このままのペースでは、1,100年かかっても終わらないと言われています。
もちろん、膨大な労力とお金がかかる。

そんな生々しい現実をおしえてくれて、同時に、私たちになにができるのかを教えてくれるのが『地雷ではなく花をください』。
「この本一冊で、カンボジアなら10㎡の地雷原がきれいな土地に生まれ変われます。」
この本の収益金は、地雷撤去のために活用されます。
だから、この本は買わないと意味がありません。
募金するだけでは偽善っぽい。
知識を蓄えるだけでも意味がない。
この本を買って、地雷の被害に遭った人々、地雷に脅かされて生活している人々のことを想い、考えることに、深い意味があると思います。

私が1冊目を購入したときには、シリーズになるとは知らなかったんだけど、今はシリーズになって5冊出版されています。

Book_27『サニーのお願い 地雷ではなく花をください』
『サニー カンボジアへ 続・地雷ではなく花をください』
『サニー ボスニア・ヘルチェゴビナへ 続々・地雷ではなく花をください』
『サニー アフガニスタンへ 心をこめて地雷ではなく花をください』
『サニーのゆめ ありがとう 地雷ではなく花をください』

地雷の暗い現実を教えてはいるけど、その内容は誰かを責めたり、恨んだりするのではなく、優しいもの。
タイトルにもそれが表れている。
地雷を取り除いて、花を植えましょう。
優しいけど、とても厳しいことも言っていて、「平和だけではだめ!」。
平和になっても傷を負い続けるのではだめ、傷を負わなくて良いように、なにかをしなければ。
・・・ということを訴えている、力強いメッセージを持った絵本です。

私はこの絵本のおかげで葉祥明さんの絵に出会いました。
可愛くて、あたたかみのある色使いに、繊細なライン。
ごくシンプルに描かれる自然と、そこにある家や犬(サリー)や女の子の調和が、地雷による被害のない生活への願いを表しているようです。
今では葉祥明さんの絵が大好きで、ポストカードや絵画を見つけるとワクワクして温かい気持ちになる。

ぜひこの本を多くの人に手にとって欲しい。
そして、1冊でもいいから、買って欲しいです。

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2006年11月12日 (日)

【BOOK】島物語

『島物語』『島物語Ⅱ』/灰谷健次郎

灰谷健次郎さんは、私が小学校のときから大好きな作家です。
小学校の国語の教科書で、『ろくべえまってろよ』って読まなかった?
そう、あれが灰谷健次郎さんの作品です。
その他にも『兎の目』や『太陽の子』、『海の図』など、名作がいっぱい。
近年の作品では『天の瞳』(これも大好き!!)が、テレビドラマになったりもして話題になりました。


Book_24『島物語』は現在2冊まで文庫化されていて、まだ完結していません。
うちの本棚には灰谷作品がずら~っと並んでいるんだけど、昨晩ふと久々に手に取って、2冊を一気に読みきってしまいました。

灰谷さんの作品に共通していること、それは命と正面から向き合って、その尊さを伝えていること。
人と人との繋がりはもちろん、人間が口に入れる食べ物に至るまで、いろんな「命」が私たちの周りには存在していて、そのおかげで人間は今の生活があるのだということが、丁寧に描かれています。
そして、子どもや高齢者の姿を、すごく優しい視点で描いているのが特徴。
現代人が忘れてしまっている命への感謝や、人と人とのあたたかい繋がり。
こんなの理想に過ぎないんじゃないかと思ってしまうくらい、生き生きと描かれる子どもの感性。
今の子ってこんなに感性豊かなのかな?と思わないわけでもないけど、実は大人には見えていないだけで、子どもってみんな本来はこうなんじゃないかと思わされます。

『島物語』は、小学生くらいから読める易しい文章で書かれた作品。
文章自体が小学生の「たかぼう」の目線で書かれているため、子どもでも十分読めるはず。
それでいて、教育、命、家族、生き方、食育・・・様々な現代社会に潜む問題にも通じている内容。
私は、いつか自分の子どもが小学生になったら、この作品をきっと読ませると思う。
そして、一緒に考えようと思います。
ただ何気なく生きている毎日に、感謝するために。
でも、この本を子どもと読むためには、自分自身が子どもに恥じないような生き方をしなくちゃね。
命ときちんと向き合って生きることは、とても難しいことだけど、人間を豊かにする大切なことだと思います。

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